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‘木よりも森が先’仮説     【キヨリモモリガサキカセツ】🔗🔉

‘木よりも森が先’仮説     【キヨリモモリガサキカセツ】 ‘forest before trees’hypothesis  視覚処理において,大域的情報が局所的情報よりも迅速に処理されるとする仮説。大域優先(global precedence)ともよばれる。イスラエルの心理学者ナヴォン(Navon, D.1977)は,小さな文字を配置して大きな文字が構成される複合パターンを短時間,呈示した。被験者が大きな文字を答えるように求められている条件(大域指向条件)では,小さな文字が何であるかにかかわらず反応が速かった。ところが,小さな文字を答える条件(局所指向条件)では反応が遅くなり,特に,大小の文字が不一致である場合に干渉が起こり,反応時間が長くなった。この実験は,ゲシュタルト知覚の優先性を巧妙な手続により実証したことで有名になったが,後続研究によりすぐ批判をあびた。論点の一つは大域パターンと局所パターンの相対的弁別性の違いであったが,注意深い実験を重ねた結果,解像度がほぼ一定に保たれるように視野を限定した場合(視角にして約5°程度)などでも,大域優先が頑健に現れることがわかった。 →ゲシュタルト →パターン認識 →vid.文献 ◆行場次朗

心理学辞典 ページ 502 でのキヨリモモリガサキカセツ単語。