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強制選択法     【キョウセイセンタクホウ】🔗🔉

強制選択法     【キョウセイセンタクホウ】 forced-choice method  実験的心理学において常用される手法の一つで,選択肢の数をあらかじめ実験者が限定して問いかけ,そのなかから被験者に答を選ばせる方法のこと。学習知覚といった現象から,面接調査のような場面まで,広く使われている。たとえば,「次の五つの選択肢のなかから答を選びなさい」「次の4段階で評定しなさい」というような言語教示に代表される方法である。言語教示ができない赤ん坊やヒト以外の動物を被験者とする場合は,たんに応答しうる選択肢の数をあらかじめ限定しておく。たとえば2選択肢なら,左に行くか右に行くか,トランプの赤い印を選ぶか黒い印を選ぶか,どちらかしかない場面を用意する。強制選択法に対置される手法は,自由選択法(free-choice method)とよべる。どれを選んでもかまわないし,そもそも選ぶべき範囲を何も示さない。たとえば,すみれの花びらを見せて,その色を問うとしよう。強制選択法では,「赤,青,紫,…」の色名のなかから答えなさいと,あらかじめ選択肢を限定しておいてそのなかから選択を強制する。自由選択法では,どのように色を記述しようと被験者に任されている。強制選択法は,あらかじめ選択の範囲が決まっているのでデータの処理には便利である。しかし,選択肢の選択そのものは実験者が恣意的に行ったものだ,という点をつねに銘記する必要がある。 →弁別 →多肢選択法 ◆松沢哲郎

心理学辞典 ページ 482 での強制選択法     単語。