強化 【キョウカ】🔗⭐🔉振
強化 【キョウカ】
reinforcement
古くは
レスポンデント(古典的)条件づけにおいて,
条件刺激と
無条件刺激をほぼ同時に
対呈示する操作やそれによって引き起こされた事態を
パヴロフは強化(補強)といった。その後,
ソーンダイクの
効果の法則のなかで今日の強化の概念的基礎が形成され,
スキナーらによる以下の定義に継承されていく。
オペラント(道具的)条件づけにおいて,
反応に随伴した後続の結果(consequence)によりその反応の生起確率が
オペラント水準に比べて増加した場合,その事態や過程もしくは操作をさす記述概念。この時の後続結果として同定された環境事象を強化刺激あるいは
強化子とよぶ。反応増加の原因が,後続結果として刺激が呈示されたことによる場合を
正の強化(呈示された刺激を「正の強化子」),刺激が除去されたことによる場合を
負の強化(除去された刺激を「負の強化子」)とよんで区別している。また,反応が強化されるという用法は正しいが,個体が強化されるという用法は間違いとされる。オペラント反応と強化子との随伴関係は強化随伴性とよばれ,その一つの研究領域は
強化スケジュールとよばれている。代表的な強化スケジュールには,
間隔強化スケジュールや
比率強化スケジュール等がある。
1980年代には,
プレマックの原理や
行動調整理論の発展により,強化や強化子をオペラント反応とそれに随伴する別のオペラント反応(たとえば摂食反応)との関係によって記述する試みがなされてきた。それによれば,強化とは可能な行動的選択肢間での個体の反応の再配分(reallocation)化をいい,強化スケジュールは,可能な行動的選択肢への環境的制約と見なす。このような立場に立つ反応遮断化理論(
反応剥奪説)では,自由に刺激への接近を可能にした自由接近事態での反応量に比べて,相対的に少ない反応量しかできない(より遮断化がされた)反応は,そうでない反応に対して強化子として働くという定式化をしている。
→強化スケジュール →条件づけ →学習 →S-R 説 →レスポンデント条件づけ →オペラント条件づけ
◆坂上貴之




















心理学辞典 ページ 468 での【強化 】単語。