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教育心理学     【キョウイクシンリガク】🔗🔉

教育心理学     【キョウイクシンリガク】 educational psychology  人間形成に関する原理と方法について心理学的手法によって解明する学問。歴史的には,教育心理学は一般心理学の知見を教育の領域に適用する応用学として成立し,応用心理学の一つとして位置づけられることが多かった。しかし近年では,教育心理学の目的として理論的側面と実践的側面の両面が独自な内容を伴って存在していることから,独立した学問領域として見なす考え方が主流になった。その理論的側面とは,人と環境の相互作用という観点から人間形成という現象を説明することであり,特に,環境のあり方と個人の変容との有機的な関連を解明することである。一方,実践的側面とは,教育の問題を解決するために必要な知識や技術を体系化することである。ただし,この2側面は独立した目的として存在しているのではない。教育心理学の本質的な特徴は,この両側面を不可分のものと捉え両者の統一がめざされる点にある。  従来,発達,教授・学習,人格・適応,測定・評価が教育心理学のおもな4領域とされてきたが,近年では集団・人間関係や臨床・障害などに関する研究領域も重要視されている。教育心理学の体系は,たんに心理学の断片的な知見の羅列として示されるのではなく,上述の目的に従って組織化されるべきであろう。教育実践は価値を指向する営みであり,その過程においてはより望ましい人間形成とは何かという点を問題にせざるをえない。したがって,教育心理学の研究に際しては,研究者の教育に対する問題意識の質が問われるとともに,研究全体を教育的価値との関連で問い直す態度が必然的に要請される。このような意識や態度によって教育に関わる現象のなかに問題を求め,理論的および実践的研究を推進することを通して,教育の目的や内容の妥当性を検討するとともに,より優れた教育を実現するための視点を提供し,その実践の方法を解明することが教育心理学の課題である。 →心理学 →一般心理学 →学校心理学 →体育心理学《城戸幡太郎1958;続有恒1973;東洋1989→vid.文献 ◆鹿毛雅治

心理学辞典 ページ 461 での教育心理学     単語。