嗅受容機構 【キュウジュヨウキコウ】🔗⭐🔉振
嗅受容機構 【キュウジュヨウキコウ】
olfactory receptive mechanisms
嗅覚の
受容器は,鼻腔内の上部の嗅上皮(または嗅粘膜という),そのなかに分布する
嗅細胞等からなる。細胞膜にある約1000種類に及ぶと推定される受容タンパク質の凹みがポケットのようににおいの分子を選別して受け止め,膜のイオン透過性を増大させ,細胞外のナトリウム・イオンやカルシウム・イオンを流入させ膜電位を変化させる。このように,嗅細胞はにおい物質の化学的情報を電気的な活動に変換し,嗅覚の第一次中枢である
嗅球へと伝える。嗅球では,糸球体が嗅細胞からの情報をさらに選別して僧帽細胞に伝える。僧帽細胞は,立体化学的分子構造が似たにおい分子群によって
興奮するという。僧帽細胞は高位の中枢からの神経支配も受け,情報処理された後,外側嗅索を通って嗅皮質へ,また,前交連前肢を経て対側の嗅球へも伝えられる。サルの
電気生理学的研究から,嗅皮質へは,前梨状皮質・
扁桃核を経て
視床背内側核を経由して眼窩前頭皮質中央後部へ行く経路と,
視床下部を経由して眼窩前頭皮質外側後部へ行く経路が報告されている。ヒトについては,ごく最近,脳磁場計測によって
側頭葉が活性化することが報告されている。
→嗅覚 →嗅覚伝導路 →嗅球 →嗅細胞 →嗅脳 →受容器
◆斉藤幸子










心理学辞典 ページ 456 での【嗅受容機構 】単語。