感覚 【カンカク】🔗⭐🔉振
感覚 【カンカク】
sensation
人間を含めたあらゆる動物は三次元空間(外界)に存在している。そして,この外界において生存を続けてゆくためには,そこに存在するさまざまな情報を受容する必要がある。外界の情報なしでは,弱い動物は即座に天敵の餌食となるであろうし,人間なども活動することすらできなくなってしまうであろう。したがって,あらゆる動物にとって,外界の情報を受け取ることは生存にかかわる重要性をもつといえる。同時に,自己の生体内部の情報を受容することも,活動を続けるうえで,同様に生存にかかわる重要性をもっている。このように重要な外界および生体内部の情報を受容する役割を担っているのが,感覚である。
一般的に,感覚は受容する情報(これを
刺激という)の種類によって,
視覚,
聴覚,
嗅覚,
味覚,
皮膚感覚(
触覚はこの一部である)のいわゆる五感(五官)と,
運動感覚(
自己受容感覚あるいは
深部感覚ともいう),
平衡感覚,
内臓感覚の8種類に分類することができる。各感覚には刺激を受容する独自の
受容器が存在し,その受容器には最も効果的な刺激の種類が定まっている。それが
適刺激である。
感覚受容器が単純な刺激を受容したことによって生じる単純な過程を感覚と定義し,より高次で複雑な過程を
知覚として区別する観点もあるが,厳密にいえば感覚と知覚を明確に区分することは不可能である。慣用的に用いられる感覚と知覚の区別は厳密な定義に基づいたものではなく,比較的末梢的であると考えられる場合を感覚,より中枢的であると考えられる場合を知覚とよんでいるにすぎない。そこで,このような感覚と知覚の無理な区別を避け,感覚受容器の活動からそれによって生じる
脳内の事象までの過程を一括して知覚という用語で示す場合もある。
→刺激 →視覚 →聴覚 →嗅覚 →味覚 →皮膚感覚 →触覚/圧覚 →運動感覚 →自己受容感覚 →深部感覚 →平衡感覚 →内臓感覚 →受容器 →適刺激 →知覚 →脳《大山正ほか1994;田崎京二ほか1979》
→vid.文献
◆日比野治雄
















心理学辞典 ページ 344 での【感覚 】単語。