仮面うつ病 【カメンウツビョウ】🔗⭐🔉振
仮面うつ病 【カメンウツビョウ】
masked depression
カナダのクラール(Kral, V. A.1958)が最初に提唱した用語。恐怖,不安,緊張などの神経症状,
心気症や身体愁訴が強いため精神科以外の一般診療科を訪れることが多いが,その本態はうつ病にほかならなく,うつ病としての精神症状が身体的症状にマスクされたものである。身体的特徴としては,全身倦怠感,
睡眠障害,食欲不振,痛み,性欲減退,動悸,息切れなどがよく知られている。精神症状としての抑うつが乏しいか,あっても気づかれないが,抑うつ気分,欲動の減退,不安,焦燥が伴いやすく,日内変動するので,うつ病であることを見逃してはいけない。
抗うつ薬の投与で治療的診断になることもある。
病前性格は,うつ病一般にみられる執着傾向であるが,同時に神経過敏質,心気傾向,ヒステリー傾向が濃厚であることが奥脇和夫・北西憲二1972により報告されている。自律神経うつ病や軽症うつ病の用語も仮面うつ病とほぼ同じ意味で用いられている。
→気分障害 →抗うつ薬 →自律神経失調症 →コンサルテーション・リエゾン精神医学
→vid.文献
◆芦刈伊世子




心理学辞典 ページ 337 での【カメンウツビョウ】単語。