化学伝達 【カガクデンタツ】🔗⭐🔉振
化学伝達 【カガクデンタツ】
chemical transmission
神経細胞間で行われる情報伝達のうち,
シナプスを介して
神経伝達物質とよばれる化学物質の受け渡しによって行われるものを化学伝達とよぶ。
神経系で行われる情報伝達のほとんどは,この化学伝達によってなされている。電気シナプスを介する伝達に対する語である。その機構は次のようなものである。
活動電位が
軸索を伝導してくることによりシナプス前終末への
カルシウム・イオンの流入が起こり,これがシナプス小胞のシナプス前膜への融合を促し,この小胞に含まれる神経伝達物質の放出を引き起こす。神経伝達物質はシナプス間隙を拡散してゆき,シナプス後膜の受容体に結合することによりシナプス後細胞膜のイオン透過性を変え,興奮性または
抑制性シナプス後電位を引き起こす。さまざまな化学物質が神経伝達物質として使われており,たとえばグルタミン酸や
アセチルコリンなどは興奮性の応答を,また,グリシンや
GABA ギヤバなどは抑制性の応答をシナプス後細胞に起こす。
→シナプス →興奮性シナプス電位 →抑制性シナプス後電位 →神経伝達物質 →イオン・チャネル
◆村上富士夫










心理学辞典 ページ 271 での【化学伝達 】単語。