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海馬     【カイバ】🔗🔉

海馬     【カイバ】 hippocampus  側脳室下角の底面に突き出す神経構造で,断面の形がタツノオトシゴに似る。アンモン角と歯状回と海馬支脚をあわせて海馬体という。大脳皮質のうちで発生的に古い古皮質に属し,細胞構築は単純で規則的である。大脳辺縁系としての機能と記憶における役割が知られている。海馬や側頭葉が破壊されると新しい記憶ができなくなる。CA1,CA2,CA3 と歯状回の四つの領域に分けられ,歯状回のおもな神経細胞である顆粒細胞はCA3の錐体細胞に興奮性入力を送り,CA3の錐体細胞はシェーファー側枝を介してCA1,CA2の錐体細胞に興奮性入力を送っている。このほかにGABA ギヤバ作動性の介在ニューロンであるバスケット細胞などが存在する。おもな入力を内嗅皮質と中隔野から受ける。内嗅皮質から歯状回顆粒細胞へのシナプスをはじめ,海馬の各部位ではシナプス伝達長期増強が起こることが知られており,これらの現象と記憶との関連が考えられている。 →歯状回 →大脳辺縁系 ◆村上富士夫

心理学辞典 ページ 256 での海馬     単語。