音響心理学 【オンキョウシンリガク】🔗⭐🔉振
音響心理学 【オンキョウシンリガク】
acoustic psychology ; psychoacoustics
音に関する諸経験を対象とする心理学の一部門。聴覚心理学という名称で取り扱われる場合もある。音響物理学,電気音響学,音響(聴覚)生理学,
音声学などと密接な関係にある。研究史的にみると,
ヘルムホルツが実験的手法を用いて
聴覚の諸法則を見出し,『聴覚論』を著したのは1863年のことである。また,
シュトゥンプは1883年に『音響心理学』を出版している。その後,20世紀初頭からの電気音響機器の進歩によって音の発生・呈示が容易になったことは,記録装置の発達と測定機器の精密化ともあいまって,音響心理学を活発にし,多くの研究業績を生み出させた。
スティーヴンスらによる音響心理学的研究のめざましい成果(Stevens, S. S. & Davis, H.1938)はこの動きを表している。通信,オーディオ機器などに関わる人間工学的問題,聴覚疾患の臨床的診断や
騒音の心理的評価など,日常的問題への実用的研究も拡大した。最近のコンピュータ技術の発達は音響心理学の研究に大きく貢献している。
音響心理学の研究内容をあげると次の通りである。聴覚の生理学,
聴覚説,
可聴範囲,聴覚の弁別能(
音の強さの
弁別,
周波数の弁別,時間の弁別),
音の高さ,聴覚の
マスキング効果,
臨界帯域,
音の大きさ,
両耳聴,
音色,
音源定位,
聴空間,聴覚の時間的側面,音の
情報処理,音の
感覚尺度,
聴力検査と聴覚障害,
疲労と
順応,聴覚と他の
感覚との間の関係(
通様相性現象)や相互影響関係,
音声,騒音評価など。
→可聴範囲 →音の高さ →音の大きさ →音色 →音声 →騒音 →聴覚説 →マスキング →臨界帯域 →両耳聴 →音源定位 →音楽心理学《日本音響学会1978;難波精一郎1984》
→vid.文献
◆中村敏枝




























心理学辞典 ページ 231 での【音響心理学 】単語。