ローレンツ 【ローレンツ】🔗⭐🔉振
ローレンツ 【ローレンツ】
Lorenz, Konrad Zacharias(1903-89)
動物の行動は,形態的特徴と同様に,それぞれの種に固有に遺伝的に特徴づけられるという事実を出発点に,動物が生活する実際の場面での詳細な行動の観察とその記述を行い,比較行動学(
エソロジー)を確立した。1973年,ノーベル生理学医学賞受賞。彼が提出した多くの見解は多方面に影響をもたらしたが,そのなかで,
攻撃は最も大きな影響を与えた。彼にとって,攻撃は最も根源的な
本能であり,時々その
衝動を解放しないと暴発の恐れがあると考えた(衝動の累積仮説)。したがって,
解発刺激のない状態で
生得的解発機構が働き,
種に固有な行動が発現する
真空活動の存在を指摘した。また,攻撃が破壊的になることを抑制するメカニズムとして,歯,牙,羽,角などの誇示行動や威嚇,服従,融和行動,さらに儀礼的闘争などが進化したと考えた。幼児図式は人においても生得的解発機構が存在する例として,ローレンツが指摘したものであり,この研究が人間を対象とした比較行動学の出発点となっている。
→vid.文献
◆中道正之








心理学辞典 ページ 2307 での【ローレンツ】単語。