ロック 【ロック】🔗⭐🔉振
ロック 【ロック】
Locke, John(1632-1704)
イギリス経験論を代表する哲学者。名誉革命の理論的基礎づけを行い立憲政治の確立に貢献した。
デカルト哲学の影響を強く受けたが,生得観念の存在は否定してすべての知識の源泉は経験であると主張。また,思惟する精神を形而上学的実体でなく具体的な
意識過程として捉えなおし,自然法則や世界の存在論的根拠を問うことから,これを認識する人間の側の能力の分析へと問題を転換して,近代認識論への道を開いた。後の
実験心理学者と異なり,
感覚と内省を通して得られる単純観念に心が自らの働きを発動して複合観念を作り上げると考え,
連合の原理もこのレベルで働くものと考えていたが,感官を触発して人間のうちに単純観念を生じさせる事物の性質については,これを物体そのもののなかにある第一性質とそれらを経験する人間の主観のうちにのみ現れる第二性質に分け(この分類の先駆はガリレイ Galilei, G. にもある),19世紀の古典的実験心理学が自然科学に対して自らを意識の学として位置づける際の基本的枠組となるものを用意した。
→vid.文献
◆高橋澪子





心理学辞典 ページ 2304 での【ロック】単語。