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立体視     【リッタイシ】🔗🔉

立体視     【リッタイシ】 stereopsis ; stereoscopic vision  広義には,視覚による三次元空間知覚すなわち奥行き知覚のことを立体視といい,狭義には,実際空間における両眼視差(非対応)に基づく両眼立体視およびステレオグラムを実体鏡などで観察する場合の実体鏡視を立体視という。三次元外界の刺激が球面状の二次元網膜平面に投影されるとき奥行き距離の情報は保存されないが,実際には網膜像には重なり,パースペクティブなどの手がかりがあり,他にのレンズ調節,両眼の輻輳,両眼視差があるので空間を三次元的に知覚できる。なかでも視差による両眼立体視は明確な奥行き感の知覚に役立っている。ただし,両眼の輻輳角は一定ではなく,両眼視差と知覚される奥行きとは一義的に対応しないので,視差だけに基づいて近い距離の小さな奥行きと遠い距離の大きな奥行きとを区別することはできない。外界適応的な知覚には観察距離についての情報が必要であり,これにより通常は奥行きの恒常性が成り立つ。  両眼立体視は対応の多義性の有無により二つに分けられる。両眼刺激の対応する候補が一つだけで両眼対応が一義的に決定できる立体視を局所的立体視(local stereopsis)といい,ランダムドット・ステレオグラムのように両眼対応が多数となり多義的な対応の可能性が存在する条件で成立する立体視を全体的立体視(global stereopsis)という。実際に立体視として知覚を生じさせる対応を顕在対応,反対に理論的には対応の可能性があるものの実際には知覚を生じさせない対応を潜在対応という。全体的立体視には潜在対応をどう処理するかという対応問題がある。  両眼立体視には両眼の輻輳という協応的眼球運動が必要である。幼児期より斜視のある場合,二重像が生じやすくなる。そのために一方の眼が弱視になることもあり,立体視ができない立体視盲になりやすい。 →両眼視 →視差 →両眼視差 →奥行き知覚《Julesz, B.1971→vid.文献 ◆鬢櫛一夫

心理学辞典 ページ 2244 での立体視     単語。