味覚野　　　　　【ミカクヤ】 taste area ; gustatory area 　中枢神経系における味覚伝導路内で，神経細胞体が集合している部位をいう。これには，延髄の味覚野，間脳の視床味覚野，そして，大脳皮質の味覚野がある。扁桃体や視床下部などにも味覚情報を受ける細胞が存在するが味覚野とはいわない。延髄の味覚野は孤束核吻側部にあり，顔面，舌咽，迷走の各脳神経中を走る味覚神経が，吻側から尾側に向かってこの順に投射する。視床味覚野は，視床の後腹側内側核の最内側部の小細胞部に存在し，大脳皮質味覚野は，前頭弁蓋部と島_とう皮質にある。なお，ラットなど下等な哺乳類では，橋_きようの結合腕傍核にも味覚野がある。また，大脳皮質味覚野は，体性感覚野の腹側で，嗅裂のすぐ背側の島皮質内に存在する。 →味覚伝導路 ◆山本隆