味覚伝導路 【ミカクデンドウロ】🔗⭐🔉振
味覚伝導路 【ミカクデンドウロ】
taste pathway ; gustatory pathway
味蕾みらいを支配し,味覚情報を中枢に伝える神経は味覚神経といわれ,味蕾分布の局在性に対応した支配様式がある。すなわち,舌前方部は顔面神経に属する鼓索神経,舌後方部は舌咽神経,軟口蓋部は顔面神経に属する大錐体神経,喉頭蓋は迷走神経に属する上喉頭神経により味覚情報が伝えられる。味覚神経は
延髄の孤束核に投射する。孤束核からの味覚性二次ニューロンの上行路は大きく二つの経路に分かれる。一つは,
味覚に基づく顔面表情変化や唾液,消化液,
インシュリン分泌といった体性運動系,消化器系,内分泌系の反射性活動に関与する経路で,他は味覚情報を上位中枢神経へ送る経路である。後者には,動物種差が認められ,サルやヒトでは,同側の視床
味覚野を経由して
大脳皮質味覚野へ投射するのに対し,それ以下の哺乳動物では,孤束核からまず
橋きようの結合腕傍に投射する。結合腕傍核からは,背側路と腹側路の二つの経路で上行する。背側路は視床味覚野でニューロンをかえて大脳皮質味覚野へ至る。また,結合腕傍核からの腹側路は,視床下部,扁桃体,分界条床核などへ投射する。視床味覚野から大脳皮質味覚野に至る背側路は味の強さや質の分析に関与し,腹側路は,味刺激による
快 = 不快の情動行動や
食欲などに関係する。
→味覚野
◆山本隆









心理学辞典 ページ 2089 での【味覚伝導路 】単語。