報酬 【ホウシュウ】🔗⭐🔉振
報酬 【ホウシュウ】
reward
ある行為・
行動に対して与えられるもので,通常は
学習や
条件づけなどを促進する目的で与えられる餌,水,物,あるいは賞賛などの社会的かかわりなども含まれる。心理学の学習実験などにおいては,たとえばマウスやラット,サルなどの動物に実験条件に応じて数時間,餌を与えないで飢餓状態を作り出し,実験者の設定する行動を行うと餌が与えられ,動物は飢餓状態を軽減させたり解消させることができる。この時に与えられる餌を報酬という。したがって,ある行動の直後に,あるいはその直前であっても,報酬の与えられた行動は形成されるし増加するが,報酬の与えられなかった行動は少なくなるか消滅してしまうこととなる。
ハルに代表される
強化理論(
動因低減説)によると,空腹の動物が餌をとることは,餌を探し食べるという行動をさせるための
動因を低減させることとなり,それによって動物にそれまでになかった新しい行動を行う一種の習慣,行動の傾向が形成されることとなる。また,報酬は
強化子の一つであり,正と負の強化子がある。新しい行動を行うようになる正の強化子に対して,電撃,嘔吐剤などの刺激は,新しい行動を抑制する負の強化子ということになる。したがって,正の強化がなされない時,あるいは負の強化がなされた時には罰(punishment)が与えられたことになる。報酬には,餌,水,電撃などの生理的な動因と関わる一次的(生理的・生物的)報酬と,これをもとに積み上げられて形成されると考えられる名誉や賞賛などの社会的報酬がある。さらに,報酬には他から与えられる外発的報酬と自己満足的な内発的報酬とがある。
→強化 →強化子 →賞罰 →罰の機能
◆南徹弘








心理学辞典 ページ 2028 での【報酬 】単語。