複数辞典一括検索+

弁別     【ベンベツ】🔗🔉

弁別     【ベンベツ】 discrimination  識別すること。実験心理学で多用される訓練手続を念頭においた用語である。識別の手がかりになる物理的な特徴を弁別刺激とよぶ。識別を教えることを弁別訓練(discrimination training)とよび,視点を変えていえば,識別を学ぶことを弁別学習(discrimination learning)とよぶ。弁別学習の課題の例として,トランプのカードのうち,ハート印の描いてある方を選べば正解,スペード印の方を選べば誤り,という弁別課題があるとしよう。ハート印とスペード印というのが弁別刺激である。ハート印とスペード印を識別できることを,弁別すると表現する。たんに見ていることと弁別することは違う。もちろん,ある刺激に目を向ければ,たとえば赤いハート印や黒いスペード印は認識されるが,それを手がかりにして別個の行動が示された時に初めて識別していることが客観的に確認できる。すなわち,弁別というためには,反応分化が必須の要件になる。反応の分化を確認することによって初めて弁別が成立していると結論づけられる。  弁別刺激の物理的特徴を同定するための実験手続を,般化テスト(generalization test)とよぶ。ダイヤモンド印のカードを呈示してみる。ハート印の5を使っていたとしたら6にしてみる。そうした手続である。弁別を確認するためには般化を確認する必要がある。逆にいえば,般化の範囲を同定して初めて,何を弁別刺激とした弁別であったのかが確認できる。弁別学習において,選択肢が同時に示される場合を同時弁別とよび,1回に一つずつ継時的に選択肢が示される場合を継時弁別とよぶ。弁別学習においては,一般に,強制選択法を用いることが多い。 →弁別閾 →般化 →同時弁別 →継時弁別 →強制選択法 ◆松沢哲郎

心理学辞典 ページ 2017 での弁別     単語。