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フェヒナーの法則     【フェヒナーノホウソク】🔗🔉

フェヒナーの法則     【フェヒナーノホウソク】 Fechner's law  外界にはさまざまな情報(刺激)が存在するが,人間は,それを感覚を通じて受容する。したがって,刺激の物理量とそれに対応する感覚量との関係は,人間行動の基礎として非常に重要である。フェヒナーの創始した精神物理学は,まさに刺激量と感覚量との関係の探究をめざしたものである。そして,フェヒナー(Fechner, G. T.1860)が,この刺激の物理量とそれに対応する感覚量との関係を数量的に示したものがフェヒナーの法則である。  まず,フェヒナーは感覚量を直接測定することはできないと考え,丁度可知差異(jnd)を感覚の基本単位として,間接的に感覚量を尺度化しようと試みたのである(フェヒナーの仮説)。つまり,強度の異なる二つの刺激がある場合に,その二つの強度差を,いくつのjndを積算することによって等しくしうるかで間接的に尺度化しようとしたのである。数学的には,ウェーバーの法則が,感覚の大きさの非常に微小な増分 dE と同じく微小な刺激増分 dI との間にも成立すると仮定すれば,dE=kdI/I(k:定数)と表せるので,この式の両辺を積分すると, 数式 となる。この式は,感覚の大きさ E は刺激強度 I の対数に比例することを意味する。これが,フェヒナーの法則である。  しかし,今日では,その基礎となっているウェーバーの法則が刺激強度の限定された範囲内でしか成立しないことが知られており,したがって,このフェヒナーの法則自体も,同様に刺激強度の限定された範囲内でしか成立しないことが判明している。 →刺激 →感覚 →精神物理学 →丁度可知差異 →フェヒナーの仮説 →ウェーバーの法則《田崎京二ほか1979;大山正ほか1994→vid.文献 ◆日比野治雄

心理学辞典 ページ 1897 でのフェヒナーノホウソク単語。