フィードバック 【フィードバック】🔗⭐🔉振
フィードバック 【フィードバック】
feedback
もともとは工学における
制御理論の基本的概念。訳語としては帰還があるが,フィードバックという場合の方が多い。あるシステム(系)において,出力の情報を何らかの形で入力側に戻すことをフィードバックといい,フィードバックをもつ系を閉ループ系(closed-loop system)とよぶ。フィードバックをもたない系は開ループ系(open-loop system)という。フィードバックには,出力が入力の増幅値である場合と出力がしだいにある値に近づき安定化する場合があり,前者を正のフィードバック(positive feedback),後者を負のフィードバック(negative feedback)とよぶ。ただし,フィードバック系の特性と入力の関係によっては,自励運動(発振)が生じることもある。負のフィードバックを利用して
制御することをフィードバック制御(feedback control)とよび,これは古典制御理論の基本原理となっている(図参照)。フィードバック制御とは逆に,入力の情報から制御対象の動作を予測し,入力を操作する制御方法をフィードフォワード制御(feedforward control)という。
図表
フィードバックは
サイバネティックスの根幹をなす概念として用いられて以来,さまざまな自然現象や生命現象,社会現象に適用されるようになった。生体には非常に多くのフィードバック機構が備わっていて,
ホメオスタシスの維持や
運動制御などに使用されていると考えられている。心理学では
バイオフィードバックや運動技能学習などさまざまな領域においてフィードバック概念が用いられている。
また,フィードバックは,各種の
実験や
調査,心理測定などにおいて途中経過や結果を被験者に知らせることの意味にも使われる。この場合,フィードバックは
KR(結果の知識)や
強化の役割を果たす。
→制御 →制御理論 →サイバネティックス →バイオフィードバック →運動制御 →KR《Annett, J.1969; Holding, D. H.1989;Salvendy, G.1987;Wiener, N.1961;Blanchard, E. B. & Epstein, L. H.1978;Schwartz, M. S.1987》
→vid.文献
◆志堂寺和則











心理学辞典 ページ 1891 での【フィードバック】単語。