反応時間 【ハンノウジカン】🔗⭐🔉振
反応時間 【ハンノウジカン】
reaction time ; RT
刺激が呈示されてから
反応が生起するまでの所要時間を反応時間とよぶ。類義語として
潜時があるが,反応時間は人間が行う行動的な反応の場合に限られ,潜時は生理的反応や動物の反応も含めて用いられる。反応時間は歴史的に個人差測定や心的過程分析の道具として使われてきた。一般に反応時間は刺激と反応の対応形態によって分類される。刺激が1種類でその刺激に対して所定の反応を行う場合の反応時間を
単純反応時間,複数の刺激に対してそれぞれ異なる反応を行う場合の反応時間を選択反応時間(choice reaction time),複数の刺激のうち特定の一つの刺激に対してだけ反応する場合の反応時間を弁別反応時間(discrimination reaction time)という。
反応時間は非常に多くの要因の影響を受けるが,以下にいくつかの一般的な傾向を列挙する。(1)単純反応時間はその他の反応時間よりも短い。(2)選択反応時間は選択肢の数や刺激の呈示確率によって変動する。(3)刺激量(刺激の強度および持続時間)の増大とともに反応時間は短くなる。(4)反応時間は刺激の感覚
モダリティによって変動する。これには刺激の強度を等価にしなければならないという問題が含まれるが,大体において
視覚刺激よりも聴覚刺激や触覚刺激の方が反応時間が短い。(5)刺激に注意するよりも反応に注意した方が反応時間が短い。(6)刺激を予告するような信号を呈示した場合,信号と刺激の時間間隔によって反応時間は変動する。(7)刺激と反応の対応関係が不自然な場合には自然な場合と比べて反応時間が長い。これは刺激と反応の適合性(stimulus-response compatibility)の問題とよばれている。(8)運動反応が複雑な場合には反応時間が長くなる。(9)男性の方が女性よりも反応時間が短い。(10)年齢では20歳頃の反応時間が最も短い。
→ヒックの法則 →速さと正確さのトレードオフ →個人方程式《Posner, M. I.1978;Vernon, P. A.1987;Welford, A. T.1980;Luce, R. D.1986;Proctor, R. W. & Reeve, T. G.1990》
→vid.文献
◆志堂寺和則






心理学辞典 ページ 1815 での【反応時間 】単語。