反射 【ハンシャ】🔗⭐🔉振
反射 【ハンシャ】
reflex
適刺激により確実に引き起こされる体の一部の定型的な運動パターン。良く知られた例として,持ち上げた膝の下をたたくと蹴る反射(膝蓋しつがい反射)が起こり,光の点灯と消灯で瞳孔の縮小,拡大が起き(瞳孔反射),食べ物を口に入れると唾液が出る(唾液反射)などがある。また,
新生児期には生物学的に意味のある多様な反射(哺乳反射,
バビンスキー反射,
把握反射など)が備わっているが,これらのいくつかは成長とともに消失する。
生理学では,
刺激により,
外部受容器,
内部受容器,
自己受容器のあるものに生じた
興奮が,求心性神経により一度中枢神経に運ばれ,そこから
遠心性神経により筋肉または腺からなる
効果器に達するという経路をたどり,効果器の機能の発現または抑制を生じる刺激 = 反応関係をいう。個々の反射の求心性神経経路,中枢神経,遠心性神経経路の連絡である
反射弓という器質的な構造を考え,それを全身の
行動の一要素であるとする。
一方,心理学では,刺激 = 反応関係を生活体をめぐる環境と行動の関係として考え,その神経学的な構造がはっきりわからない条件反射を心理学研究の重要な研究対象とするがゆえに,反射弓の問題は主要な課題としなかった。心理学では,反射弓の内容は不明であっても,操作的に,特定の刺激を与えた時に,その刺激に対応して特定の反応が一定の方向に変化する場合に,その反応を反射とよぶ(古武弥正・新浜邦夫1968)。また,心理学では「反射」と「反応」(response)はほぼ同じ意味で用いられるが,近年は「反応」を用いることが多い。
→反応 →条件反応 →受容器 →効果器 →遠心性神経 →中枢神経系《Sherrington, C. S.1906;Carew, T. J.1985》
→vid.文献
◆磯博行













心理学辞典 ページ 1800 での【反射 】単語。