明るさ 【アカルサ】🔗⭐🔉振
明るさ 【アカルサ】
brightness
物の表面のもつ反射率と,その表面への照明の強度すなわち
照度の積で表される測光量が
輝度であるが,これに対応する
知覚変数が「明るさ」である。明るさには,brightness とlightness の二つの用語があてはめられる。
国際照明委員会(CIE, 1970)の定義によれば,brightnessとは,一定
視覚刺激の見えの強さまたは一定領域の発している光の見えの強さであり,very dimからvery bright(dazzling)の範囲で変化し,一方,lightnessは相対的なbrightness,すなわち「白く」知覚される領域と比して別の領域のbrightnessがどの程度であるかをさし,very dark(黒)から very light(白) の範囲で変化する。したがってlightnessは
白さとも訳される。また,
カッツの
色の現れ方の分類と対応させて,面色(film color),
開口色および光源色(illuminant color)として知覚される場合はbrightness,
表面色(一般的に物の
色)として知覚される場合はlightnessとする見解もある。
輝度と明るさとの関係について
スティーヴンス(Stevens, S. S.1975)は,他の
感覚次元と同様にべキ法則 R=kIn(R:感覚量,I:物理量,n:感覚連続体に固有の指数(ベキ),k:定数)の成立することを明らかにした。n は種々の条件により変化するが,brightnessでは0.33(視標5°,
暗順応眼),0.5(点光源),0.5(閃光),1.0(点光源の閃光),lightnessでは1.2(灰色色紙)をあげている。なお,これらベキ関数に対しては順応条件,背景輝度,刺激呈示時間等の効果が検討されている。一定輝度の
刺激に対して知覚される明るさは時間的・空間的要因によっても影響を受ける。
光覚閾いきについて呈示時間の一定範囲内で
時間的加重が生ずるとする
ブロックの法則,ある輝度範囲内で短時間呈示される刺激光の明るさが定常光よりも明るく見える
ブローカ = ズルツァー効果,光覚閾について空間領域のある範囲内で
空間的加重が生じるとする
リッコの法則,
パイパーの法則などがある。
対比,
恒常現象等も明るさ知覚の基本的現象である。
→国際照明委員会 →輝度 →照度 →対比 →明るさの恒常性
→vid.文献
◆上村保子
























心理学辞典 ページ 17 での【アカルサ】単語。