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般化     【ハンカ】🔗🔉

般化     【ハンカ】 generalization  ある刺激に条件づけられた反応が,他の刺激に対しても生じることである。一般に,般化の程度は,その刺激の物理的次元上の類似度(距離)の関数として決まる。すなわち,条件づけられた刺激に似ているほど反応は起こりやすくなる。般化現象は,各刺激ごとに学習をしなくても,似た刺激のもとでは適切な反応が生じることを可能にするという点で重要である。これとは逆に,ある特定の刺激に対してのみ反応が生じるようになることを分化という。  横軸に刺激の物理的類似度,縦軸に反応数をとって,刺激の物理的類似度の関数として反応数の変化をプロットしたものが,いわゆる般化勾配(generalization gradient)である。般化勾配は,ある刺激のもとで反応を強化し,次に,この刺激(原刺激)とこの刺激と物理的類似度の異なる複数の刺激(テスト刺激)を消去手続のもとで呈示するという方法により得られる。単一刺激の強化訓練後の般化勾配は,フラットである。すなわち,各テスト刺激に対して原刺激と同じような反応が生じるのである。これに対して,刺激の呈示されている時は強化,呈示されてない時は非強化とする分化強化を行った後の般化勾配は,原刺激を頂点とし,おおむね左右対称的に反応数が減少するパターンとなる。さらに,同じ物理的次元上の異なる刺激の一方のもとでは強化,他方のもとでは非強化とする分化強化を行った後の般化勾配は,頂点が原刺激(図では550nm)にはなく,原刺激から非強化された刺激(負刺激570nm)と反対方向へ離れた位置に現れるという,いわゆる頂点移動の現象がみられる(図参照)。 図表 このような般化勾配の相違は,強化された刺激の次元上に生じると考えられる興奮過程と,非強化された刺激の次元上で生じると考えられる抑制過程という二つの過程の相互関係から説明される。この関係が加算的であるとする説が加算説である。また,般化勾配は,強化されない負刺激の次元についても考えられる。この場合の般化勾配は,原刺激(非強化された刺激)を最低点とするU字型のパターンとなる。これを抑制性般化勾配という。 →弁別 →分化 →反応般化 →二次的般化《Honig, W. K. et al.1963;Jenkins, H. M. & Harrison, R. H.1960→vid.文献 ◆伊藤正人

心理学辞典 ページ 1796 での般化     単語。