ハル 【ハル】🔗⭐🔉振
ハル 【ハル】
Hull, Clark Leonard(1884-1952)
アメリカの心理学者。ウィスコンシン大学で心理学の学位を得た。研究題目は
概念の獲得に関する研究であった。1929年,イェール大学の人間関係学科の研究教授の職についた。ハルの説は基本的には
ワトソンの影響を受けた刺激 = 反応理論(
S-R 説)である。その
連合の強さは
動因の減少による
強化とされた。生活体への環境の変数がインプット,生活体の反応がアウトプット,その間をつなぐのが
仲介変数である。その変数を,
ヒューム,
J. ロック,
カントなどのような哲学者は
意識の経験をもとにして
知識や
思考,推理によって作りあげようとした(bottom→up)。ハルは以上の思想家たちとは方法論的に反対の立場(up→bottom)に立ち,習慣(habit)という概念を設定して,そこから出発し他の概念に演繹するという方法をとった。最も整った形が『行動の本質』(1951)にみられる。
仮説構成体とよばれる項目から成立し,18の公準と12の系からなる,数学的な形で表現された。この組織だった理論をもとに何十年にもわたって特に認知論との論争をめぐって多くの実験が生み出された。
→vid.文献
◆本吉良治














心理学辞典 ページ 1794 での【ハル】単語。