複数辞典一括検索+

音色     【ネイロ/オンショク】🔗🔉

音色     【ネイロ/オンショク】 timbre  聴覚上のの性質の一つで,2音の大きさおよび高さがともに等しくても,その2音が異なった感じを与えるとき,その相違に対応する性質と規定されている(JIS Z8109)。このように,音色の定義はあいまいな場合が多い。音色は多次元的構造をもち,一次元的といえる大きさや高さのような単純な記述が難しいためである。音色を規定する物理量も多次元的で,周波数成分,成分周波数の相対関係,成分周波数の相対振幅,成分周波数の位相関係,およびそれらの時間的変化などがあげられる。音色の多次元的性質を解明するために,音色表現語を用いた因子分析的研究が行われ,美的因子,迫力因子,金属性因子があるという報告などがある。また,音色の類似性判断に多次元尺度構成法を適用して,音色空間を構成する次元の検討や音色を規定する物理量を探る研究も行われている。音色とともに音質(tone quality)という語もよく用いられる。両者の違いについて定説はないが,一般に,音色が純粋に感覚的であるのに対し,音質は品質的な価値や評価を含むものと解される。 →聴覚 →音 →楽音 →上音 →音響心理学 ◆中村敏枝

心理学辞典 ページ 1718 での音色     単語。