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ニュールック心理学     【ニュールックシンリガク】🔗🔉

ニュールック心理学     【ニュールックシンリガク】 new look in psychology  1940年代後半,知覚に影響する人の要求(欲求)や期待態度,過去の経験などの人格的・社会的要因を強調し,社会的知覚・力動的知覚(dynamic perception)の研究ともよばれた一連の研究の動向に対する用語。クレッチ(Krech, D.1949)は,ニュールックの支持者としてブルーナーマーフィ,クライン(Klein, G. S.),ウェルナーマクレランド,ポストマン(Postman, L.),ウィトキンシェリフらをあげている。さらにルーチンス(Luchins, A. S.1951)は,この他にブルンスウィックキャントリルらをあげている。  わが国ではニュールック理論やニュールック心理学という語が定着しているが,アメリカでは「知覚におけるニュールック」(new look in perception),「心理学におけるニュールック」(new look in psychology)という表現が一般的であり,上記の研究者の名前からもわかるように元来特定の立場をさしているのではなく,ゲシュタルト心理学と対立するものではない。ブルーナー(Bruner, J. S. & Goodman, L.1947)は,ゲシュタルト心理学が主体の条件を検討する構想がありながら進められてこなかった点を指摘し,知覚理論を広げていこうとした。ポストマンらの知覚的防衛の概念には精神分析理論への接近がみられる。また認知心理学から意識前意識的処理について一連の研究が行われており,カーネマンら(Kahneman, D. & Treisman, A.1984)は,認知心理学におけるこれらの研究の動向をニュー・ニュールック(new new-look)とよんでいる。 →社会的知覚 →知覚的防衛 →vid.文献 ◆嶋田博行

心理学辞典 ページ 1685 でのニュールックシンリガク単語。