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日常認知     【ニチジョウニンチ】🔗🔉

日常認知     【ニチジョウニンチ】 everyday cognition  人工的環境である実験室内で行われる認知研究に対して,より日常場面に近い自然な状況での人間の認知機能を重視する立場,またその研究。たとえば,学校で教えられる算数の計算アルゴリズムと実際にスーパーマーケットでの買い物で使われる方略が異なることや,算数能力が低いとされる子どもが,生活のために行っている路上での通貨の換算には優れているなどのように,人は人工環境と日常環境で異なった能力を示すことが見出されるようになった。このようなことから,1970年代後半から,日常生活での意味を重視する生態学的妥当性が強く主張されるようになった。  実験室研究と日常場面での研究は,次の3点で異なると考えられる。一つは,研究場面そのものの違いである。被験者にとってなじみのある生活場面か新奇な実験室場面かという違いである。第二に,被験者の問題である。特に年齢を問題にする研究以外の多くの認知研究では大学生を被験者としているが,大学生がそれ以外の成人の代表であるという保証はない。第三に,理論的側面である。多くの認知心理学理論は,外界の情報が人の認知システム内に記憶されている情報と相互作用しあって処理され,最終的な認知が成立すると考えている。そこでは,外界の環境はあまり重視されていない。しかし,日常認知研究で得られた知見は,人が環境情報をいかにうまく使っているかということを示唆しており,外部環境あるいは状況を考慮した理論が重要であることを示している。たとえば,予定の記憶などの展望記憶問題解決におけるメモといった道具使用の性質を調べる際には,日常環境の分析は欠かせない。これらは近年の分散認知,状況認知の考え方へとつながるものである。 →応用認知心理学 →生態学的心理学 →生態学的妥当性 →状況的認知《Cohen, G.1989;Neisser, U.1982;Lave, J.1988;Rogoff, B. & Lave, J.1984→vid.文献 ◆川口潤

心理学辞典 ページ 1676 での日常認知     単語。