二重作用説 【ニジュウサヨウセツ】🔗⭐🔉振
二重作用説 【ニジュウサヨウセツ】
duplicity theory
フォン・クリース(von Kries, J.)が提唱した
視覚に関する説。二重視覚説,二重機能説ともいう。人間の
視覚系の基礎をなす光受容細胞(視細胞)には,
錐体と
桿体の2種類が存在する。両者はそれぞれ
網膜上での分布や特性が異なっていることが知られている。錐体は
中心窩か付近に集中的に分布し,絶対的な
感度は低い(
明所視)が,色覚の機能を有し,また解像力も非常に高い。一方,桿体は中心窩には存在せず,周辺部位に多数存在し,絶対的な感度は非常に高い(
暗所視)が,
色を識別する機能はなく,また解像力も低い。つまり,錐体と桿体が,巧みに役割分担をすることによって,非常に広い
明るさの条件下で視覚が機能できるようにしているのである。このように,同一の網膜でありながら,錐体と桿体の2種類が視覚の機能を果たしていることを,フォン・クリースは二重作用といったのである。
→錐体 →桿体 →網膜 →中心窩 →明所視 →暗所視 →色 →視覚
◆日比野治雄











心理学辞典 ページ 1673 での【二重作用説 】単語。