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ナイサー     【ナイサー】🔗🔉

ナイサー     【ナイサー】 Neisser, Ulric(1928- )  アメリカの心理学者。エモリー大学教授。認知心理学の黎明期にあって,人間の文字認識や視覚的探索の実験に取り組み,1967年『認知心理学』で,情報処理過程として人間の認知を捉える立場を明確に打ち出した。その後,この本は認知心理学における記念碑的著作になり,そのなかで用いられたアイコン(icon)や前注意過程などの概念は広く使用されるようになった。76年に出版された『認知の構図』では,J. J. ギブソンの影響のもと,知覚や認知の研究における生態学的妥当性を強調した。またこの著作のなかでは,予期によって外界の情報抽出が行われるという,知覚を能動的な過程として捉える知覚循環モデルも提唱した。記憶に関する文献のすぐれたアンソロジーである82年の『観察された記憶』では,記憶研究における生態学的妥当性の必要性を論じた。これらのほか,記憶,心的イメージ選択的注意に関する実験的研究も行っている。その研究は,マズローの影響を受け,人間の認知能力の可能性を示唆するものが多い。 →vid.文献 ◆鈴木光太郎

心理学辞典 ページ 1654 でのナイサー単語。