同時弁別 【ドウジベンベツ】🔗⭐🔉振
同時弁別 【ドウジベンベツ】
simultaneous discrimination
弁別学習の
課題の一つで,
継時弁別と対置される。たとえばトランプのカードのうち,ハート印の描いてある方を選べば正解,スペード印の方を選べば誤り,という弁別課題があるとしよう。ハート印とスペード印という二つの選択肢が同時に示されるのが同時弁別で,1回に一つずつ継時的に示されるのが継時弁別である。同時弁別では,同時に示される複数の選択肢のなかから正解を選べばよい。ハート印のカードを選べば正解,スペード印のカードを選べば誤答である。同時弁別の利点は,同時に選択肢を比較できることにある。選択肢を同時に見比べることによって,正解を特定できる。継時弁別では選択肢が1回に一つずつしか示されないので,同時に見比べることはできない。時間をおいて呈示される選択肢を記憶することによってしか課題を解決できない。逆に,その利点が難点でもある。同時弁別では,同時に選択肢を呈示するため,つねに呈示位置の問題がある。たとえば左右に並べて呈示したとすると,課題としてはカードの印に着目して欲しいのに,一般にカードの左右の位置が絵柄よりもまず着目されやすい。位置反応(位置偏好,位置固執)とよばれるような反応傾向に陥りやすい。
→継時弁別 →弁別 →般化 →位置習性
◆松沢哲郎



心理学辞典 ページ 1612 での【同時弁別 】単語。