体性感覚系 【タイセイカンカクケイ】🔗⭐🔉振
体性感覚系 【タイセイカンカクケイ】
somatosensory system
体性感覚(somatic sensation)とは,
皮膚感覚と
深部感覚(
運動感覚)との総称である。
触覚・圧覚,
温覚・
冷覚,
痛覚受容器の
興奮は後根より
脊髄に入る。これらの信号は脊髄伝導路を上行して
視床に入る。その際,痛覚と
温度感覚は脊髄後角にて脊髄視床路を形成して視床へ上行する。触覚および運動感覚は後索路と脊髄頸髄路を上行する。体性感覚に関係する視床核のうち,腹側基底核群,後核群,髄板内核群および内側核群が主要なものである。腹側基底核群は最も重要な体性感覚の中継核である。ここでは,皮膚感覚情報と深部感覚情報は混じり合わない。ここのニューロンの大部分は
頭頂葉中心後回の第一体性感覚野に,一部は中心後回から頭頂側頭弁蓋に及ぶ領域,つまり第二体性感覚野につながっている。後核群のニューロンは体毛への触刺激,温度,侵害刺激に応じる。この核は第一体性感覚野の後部や頭頂連合野,第二体性感覚野の周辺領域に投射する。髄板内核群および内側核群の機能については不明な点が多いが,侵害受容性の場合がある。この核は視床内の他の核,
大脳(基底)核,皮質運動野,頭頂連合野などに投射する。ヒトの中心後回を電気刺激すると,刺激部位に対応する身体部位に感覚が生じる。触覚,動きの感覚,温度,痛み,かさかさした感じなどが生じる。また,この部位が障害されると,二点弁別,刺激の定位,重さ,粗さ,形の区別などに長期間にわたり影響がでる。体性感覚野を破壊すると,手指の細かい運動が障害される。
→皮膚感覚 →深部感覚 →運動感覚 →身体感覚《中山昭雄1981;高木博司ほか1986;中村嘉男・酒田英夫1983》
→vid.文献
◆和気典二













心理学辞典 ページ 1417 での【体性感覚系 】単語。