対人関係 【タイジンカンケイ】🔗⭐🔉振
対人関係 【タイジンカンケイ】
interpersonal relationships ; interpersonal relations ; social relationships
個人と個人の間の相互作用を基礎にして形成される,持続的かつ心理的結びつき。人間関係(human relations)と同義に用いられることもあるが,人間関係の場合は個人と
集団の関係も包含するなどの点で対人関係より広い概念といえる。具体的には,友人関係,恋愛関係,血縁関係,
きょうだい関係,夫婦関係などがあげられる。社会学では婚姻や家族の研究,
社会心理学では
対人魅力や友人関係,
恋愛など,
発達心理学では
親子関係,きょうだい関係の問題が中心的に扱われてきたが,最近では独自の研究領域として認められ,Journal of Social and Personal Relationships などの専門誌も刊行されている。
対人関係はいくつかの側面から分類できる。たとえばウィッシュら(Wish, M. et al.1976)は,
多次元尺度構成法を用いて分析した結果,さまざまな関係が「対等―非対等」「協力的―競争的」「公式―非公式」「表面的―緊密」という四つの次元で表現できるとしている。また,対人関係はいくつかの段階を経過する。レヴィンジャー(Levinger, G.1980)は,(1)知り合い,(2)構築,(3)緊密化,(4)悪化,(5)終焉の5段階を経ると主張した。これは,特に友人関係や恋愛関係に関してあてはまる。対人関係はしばしば葛藤の原因となるが,一方で,関係を維持することが精神的・身体的健康に良い影響を及ぼすことも知られている。たとえば,既婚者は独身者に比べて幸福感を感じることが多く,また,
ストレスの悪影響は他者との関係から得られるサポートによって軽減される可能性が示されている。リンチ(Lynch, J. J.1977)は,各種の医学的統計資料の分析に基づいて,未婚者,離別者,死別者が,同年齢の既婚者よりもさまざまな病気で死亡する傾向が強いことを明らかにしている。
→親密 →対人行動 →自己開示 →愛 →ソーシャル・サポート《Berscheid, E.1994》
→vid.文献
◆安藤清志









心理学辞典 ページ 1409 での【対人関係 】単語。