大衆社会 【タイシュウシャカイ】🔗⭐🔉振
大衆社会 【タイシュウシャカイ】
mass society
近代社会との対比において広義の現代社会の特徴を示すために大衆社会という用語と概念が用いられる。その特徴は,
官僚制化,産業化,都市化,情報化,交通手段の発達などによって生じる移動性,匿名性,役割と地位の高度の専門化,二次的集団の優越,伝統的価値体系の崩壊,共同体への帰属意識の喪失などで,こうした社会構造の変化を大衆化(massification)とよぶ。
フロムのファシズム研究は大衆心理に焦点を当てた大衆社会論であるが,その後も第二次大戦後のアメリカ社会を対象として,中間集団の解体による個人の原子化に焦点を当てた議論(ミルズ Mills, C. W., コーンハウザーKornhauser, W. A. など)や,巨大集団への過同調と強制的画一化に焦点を当てた議論(リースマン Riesman, D., ホワイト Whyte, W. H., Jr. など) がなされた。 大衆社会論における個人(
大衆)は,孤独と不安を抱え情緒的で非合理的な判断を行う存在として,また,マスコミによる操作を受けやすく他者に同調しやすい存在として把握されている(マンハイム Mannheim, K. の「甲羅のない蟹」,フロムの「根無し草」,リースマンの
他者志向型,ホワイトの
組織人,など)。
→大衆 →同調 →他者志向型/内部志向型/伝統志向型 →マス・コミュニケーション →マス・メディア
◆山田一成





心理学辞典 ページ 1405 での【大衆社会 】単語。