大衆 【タイシュウ】🔗⭐🔉振
大衆 【タイシュウ】
mass
互いに異質な属性をもつ匿名の多数者からなる未組織の集合体をさして大衆という言葉が用いられる。19世紀末から20世紀初頭にかけて,
ル・ボンは民衆の群集性から大衆の出現を予見し,
タルドは
群集とは区別されるものとして公衆(public)という概念を提出した。群集は空間的に近接し
群集心理に支配され
集合行動を起こすとされるが,大衆は散在しながら
マス・メディアに媒介されて集合体を形成するとされる。また,公衆は
世論の担い手として新しい社会を作り支えるとされるが,大衆は大量の商品の消費者であるとともにマスコミの「受け手」として操作されやすいとされる。マルクス主義的な立場においては生産を担い歴史を推進する主体として肯定的意味をもつが,
大衆社会論においては受動的で同調的な性格により民主制を変質させる存在として両義的または否定的意味をもつ。なお,大衆についての議論には,集合を実体と見なすものと,現象(
流行,
流言,普及など)と見なすものがある。
→大衆社会 →群集 →群集心理 →集合行動 →マス・コミュニケーション →マス・メディア
◆山田一成










心理学辞典 ページ 1404 での【大衆 】単語。