創造性 【ソウゾウセイ】🔗⭐🔉振
創造性 【ソウゾウセイ】
creativity
課題の解決に際して,独創的な解法を支える認知活動である。課題に含まれる関係性を発見したり,新たな考えを生み出したりする,定型的な思考法にとらわれない能力を意味する。トーランス(Torrance, E. P.1962)は,創造性とは,ある種の不足を感知し,それに関する考えまたは仮説を形成し,その仮説を検証し,その結果を人に伝達する過程を経て,何か新しい独創的なものを産み出すことであるとしている。
ギルフォード(Guilford, J. P.1959)は,認知能力を多面的に測定できるような課題を作成し,
因子分析の手法を用いて知性の構造を検討し,
収束的思考と
拡散的思考が区別できることを示した。収束的思考とは,与えられた情報からあらかじめ定められた妥当な正解を求めるような思考であり,数学の問題を解く際に,既知の公式を用いたり,文章を書く際によく知られた言いまわしを適切に用いたりすることと深く関連している。従来の
知能検査は収束的思考能力を測るものであった。これに対し,拡散的思考とは,与えられた情報から新しい情報を作り出す思考であり,ある現象を説明する仮説をできるだけたくさんあげる際や,日用道具のどこを改良したらもっと便利かを考える際に必要とされる能力である。彼は,創造性と関連する因子として,問題を見出す能力,思考の円滑さ,思考の柔軟さ,思考の独自性,再構成する能力,工夫する能力の6因子を指摘し,このうち,円滑さ,柔軟性,独自性は拡散的思考に位置づけられるとしている。
ウォリス(Wallas, G.1926)は,創造的思考の過程として準備期,あたため期(
孵化期),啓示期,検証期の4段階をあげている。解法のわからない問題を長期間あたためているとき,突然の啓示を得た経験を多くの偉大な発見をした科学者は報告している。
→創造的思考 →収束的思考 →拡散的思考《穐山貞登ほか1968》
→vid.文献
◆古橋啓介







心理学辞典 ページ 1369 での【創造性 】単語。