前頭前野 【ゼントウゼンヤ】🔗⭐🔉振
前頭前野 【ゼントウゼンヤ】
prefrontal cortex
大脳の
前頭葉のなかの一番前に位置する脳部位である。高等動物ほどよく発達しており,大脳のなかでネコ,イヌでは数%を占めるに過ぎないが,サルでは約12%,チンパンジーでは約17%,ヒトでは約30% を占めている。この部位に損傷を受けた患者は,
自発性や意欲がなくなり,また計画的にものごとを行ったり,一連の行動を順序よく行うことが困難になることなどが知られており,この脳部位は,推理,判断,計画,評価などの高次機能に関わっていることが明らかにされている。最近の
PETやfMRI(機能的
MRI)などの非侵襲法により正常人の脳活動を調べた研究によると,前頭前野は思考,読書など,いわゆる「頭を使う」時に大きな活動を示すことも明らかにされている。また
学習行動を行っているサルの前頭前野には,
刺激がどのような意味をもっているのか,行った
反応は適切であったか否かなどを捉える働きをしたり,運動反応を抑制する,あるいは予測される事態の期待に関係するというような,高次機能に関係した活動を示すニューロンが見出されている。
→前頭葉 →大脳 →高次神経活動
◆渡邊正孝








心理学辞典 ページ 1350 での【前頭前野 】単語。