生得説 【セイトクセツ】🔗⭐🔉振
生得説 【セイトクセツ】
nativism
人間または生物一般が示す諸形質(形態や行動あるいは人間のもつ認識や概念など)は,環境の影響を受けながら漸成的に形成されるのではなく,生まれつき内在する遺伝的なものが自律的に発現したものとする考え方。概念的には
経験説と対置され,経験による可塑性を否定し,その最も極端な形においては,細部に至るすべてが生まれつき決まっているという決定論・宿命論となる。しかし心理学においてこのように極端な主張がなされることは少なく,むしろ
生得的解発機構を重視した
ローレンツや言語生成能力の生得性を唱える
チョムスキーのように,生物が環境に
適応するためにあらかじめ遺伝的に高度に組織化された行動様式や認知的体制を準備しているとする立場,または
才能の遺伝性を示した
ゴールトンや環境閾値いきち説を唱える
ジェンセンのように,相対的な
個人差が遺伝的に安定していると主張する立場といってよい。
→遺伝/環境 →経験説
◆安藤寿康









心理学辞典 ページ 1287 での【生得説 】単語。