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生成文法     【セイセイブンポウ】🔗🔉

生成文法     【セイセイブンポウ】 generative grammar  有限の規則により文法的なの集合を生成する文法。文を「生成する」(generate)とは,「定義する」(define)という意味である。生成文法のモデルとして,チョムスキー(Chomsky, N.1965,75,86)らによる「変形生成文法」(generative transformational grammar),ギャズダー(Gazdar, G. et al.1985)らの一般化句構造文法,ブレズナン(Bresnan, J.1982)らによる語彙機能文法などがある。伝統文法とよばれる従来の文法は,文の実例をあげそれに注釈を加えることにより,読者の判断に頼って類似の文の文法性を類推させるものであったが,生成文法は,明示的な規則や原理により,文法的な文と非文法的な文を原理的に区別する。したがって,生成文法とはまた,明示的(explicit)な文法といってもよい。  生成文法の要件として,達成すべき記述能力と説明力がある。まず,ある言語の語彙からなる任意の文字列について,文法が適格文かどうか定義できるとき,その文法は「観察的妥当性」を備えた文法であるという。次に,ある言語の適格文を定義するだけではなく,それらの文に母語話者の直感に合致した音声や構造や意味関係を与えることができるとき,その文法は「記述的妥当性」を備えた文法という。さらに,可能な文法の集合を定義する言語理論が,十分な制約を備え,個別言語の文法として記述的妥当性をもつ文法を選択できるとき,その理論は「説明的妥当性」を備えているという。  変形生成文法(あるいはたんに生成文法)とよばれる文法モデルは,中核部(core)と周辺部(periphery)からなり,中核部は,普遍文法の原理とパラメータ値の選択により決定される。中核部には,文の基本構造を規定する「X′理論」,要素の移動に関わる「移動変形」,の決定に関する「格理論」などがある。一方,周辺部は,個別言語の特性に関わるものである。 →普遍文法 →チョムスキー理論 →原理とパラメータの理論 →一般化句構造文法 →語彙機能文法《中村捷ほか1989;Horrocks, G.1987;Sells, P.1985→vid.文献 ◆稲田俊明

心理学辞典 ページ 1278 での生成文法     単語。