生産的思考 【セイサンテキシコウ】🔗⭐🔉振
生産的思考 【セイサンテキシコウ】
productive thinking
問題解決事態としての
思考活動には,既存あるいは既知の手段を統合して解決に至る場合と,その過程において新しい手段を生み出してそれで解決する場合がある。多くの数学的「課題」の解決には,既知の定理や演算法を正しく用いれば必ず解決に至る。これを
アルゴリズムによる問題解決という。しかしながら,既存の解決手段の既知の組合せではどうしてもうまくいかない場合が日常生活には山積している。このようなとき,新たな解決法を生み出す必要がある。これを
ヒューリスティックスによる問題解決という。生産的思考はヒューリスティックスによる問題解決事態に不可欠な思考法で,その解決手段が既存のものの再生ではない,という意味で生産的思考とよばれ,再生産的思考と区別される。
生産的思考の過程には,そうした新たな手段の発見が含まれ,これは課題構造の
中心転換や
再構造化によって起こる。中心転換や再構造化は,当該の課題の見直し,手段の見直しによって起こるものであり,それはまた,既存の手段の機能の新発見につながる。それらを阻止する要因には,過去の成功経験,手段の
機能的固定,無批判なアルゴリズムの適用による
構えの効果等がある。
→問題解決 →アルゴリズム →ヒューリスティックス →中心転換 →再構造化 →機能的固定
◆田中俊也








心理学辞典 ページ 1247 での【生産的思考 】単語。