新フロイト派 【シンフロイトハ】🔗⭐🔉振
新フロイト派 【シンフロイトハ】
neo-Freudians
S. フロイトの
リビドー論に拠った生物学的立場よりも社会的・文化的要因を重視した,
フロム,
ホーナイ,
サリヴァン,フロム - ライヒマン(Fromm-Reichmann, F.)など,1930年代から40年代にかけてのアメリカの一群の
精神分析家たちをさす。エディプス葛藤を認めない母系民族社会の存在を明らかにしてフロイトの
汎性欲説の普遍性に疑問をなげかけた
M. ミードなどの,
文化人類学やコミュニケーション理論を援用しているところに特徴がある。そのため,力動的・文化的精神分析学(dynamic-cultural psychoanalysis)とよばれている。フロムは,人間行動の理解には所属する社会構造との関係を考えなければならないとして,資本主義社会体制において人が内的欲求と外的な社会的要請との妥協から発達させる社会的性格を主張した。またホーナイは,神経症的不安が性欲動からではなく,乳幼児期の基本的な安全感の欠如(孤独で無力な存在という基底不安)によるものであり,
対人関係の障害によって引き起こされるものであるとした。さらにサリヴァンは,
乳児期における母親とのコミュニケーションの様態から独自の発達段階を提起した。彼は,
精神医学を対人関係の学であると定義し,人間行動の真の理解は人間関係のなかでしか得られない(「関与しながらの観察」participant observation)と主張した。
→精神分析
◆小川俊樹












心理学辞典 ページ 1174 での【シンフロイトハ】単語。