色 【イロ】🔗⭐🔉振
色 【イロ】
color
人間が
視覚系を通じて外界の
刺激を受容することによって生ずる知覚現象の一属性をさす。特に,外界に関する情報のうち,大きさ,形態,
明るさなどが同じ場合でもなお相違をもたらす属性のことを色という。視対象の色は,その分光分布特性と密接な関連があり,その分光分布特性に関する情報を受容するのが色覚系である。視対象の色はその分光分布特性に依存して変化するが,分光分布特性が全く異なっていても等色して見える(条件等色という)場合もあれば,また逆に,分光分布特性が等しくても条件(同時対比,継時対比,同化,
順応,
色の現れ方の相違など)によっては異なって見える場合もある。これは色が知覚現象であることを明確に示すものである。したがって,色について厳密に考える場合には,その物理学的側面だけでは不十分であり,心理学的側面をも把握しておかなければならないのである。つまり,色を定義する場合には,刺激としての物理的性質を特定するとともに,その刺激を受容した場合に生ずる心理的性質を特定することがきわめて重要なのである。その意味で,ニュートン(Newton, I.1704)の「光線に色はついていない」という言葉は名言であるといえよう。
色の属性は三次元的に特定できることが知られている。それが,
色相,
明度,
彩度の三つである。色相は色みに対応する次元であり,
反対色説のいうように,人間の知覚するすべての色は赤,緑,黄,青の4色およびその組合せで表現できる。そして,明度は明るさ(明暗)に,彩度は鮮やかさにそれぞれ対応する次元である。
→視覚系 →刺激 →対比 →順応 →色の現れ方 →知覚 →色相 →明度 →彩度 →反対色説《Wyszecki, G. & Stiles, W. S.1982;Kaiser, P. K. & Boynton, R. M.1996》
→vid.文献
◆日比野治雄









心理学辞典 ページ 113 での【色 】単語。