神経系 【シンケイケイ】🔗⭐🔉振
神経系 【シンケイケイ】
nervous system
身体を構成する機能系(統)の一つ。神経系の機能は
受容器で
刺激を受け,それに応じて
反応する
効果器を活動状態にさせることにある。神経系は大きく
中枢神経系と
末梢神経系に分けられる。前者は頭蓋腔と脊柱管のなかにある
脳と
脊髄からなる。後者は,前者の外にあり,前者と身体にある受容器・効果器を連絡する神経(脳神経 cranial nerve と脊髄神経 spinal nerve)である。機能の面から,神経系は,外部環境に適応して
知覚や運動,
思考などに関与する動物神経系(animal nervous system, または
体性神経系)と内部環境に適応して消化・栄養・呼吸・循環・生殖・分泌などに関与する植物神経系(vegetative nervous system, または内臓神経系)に分けられる。植物神経系は,内臓機能に関係するが,一般に内臓機能は,不随意性および自律性を示すことから
自律神経系ともよばれ,互いに拮抗的に働く
交感神経系と
副交感神経系に分けられる。
図表
神経系は,進化の過程で発生分化してきた。神経系をもつ最も単純な動物は腔腸動物で,ヒドラなどにおいて明瞭な神経細胞とその突起による神経網の存在(網状神経系)が示されている。次に発達した神経系は,扁形動物のプラナリアなどのように,神経細胞の集中化(節状神経系)がみられる。脊椎動物になって神経系の形式に根本的な変化がおこり,神経細胞の塊であった神経節から中心に穴の通った神経管の脳と脊髄に変わった。脳は魚類から両生類・爬虫類・鳥類を経て哺乳類と進化するにつれて,脳の構造はますます複雑になり,そのなかでも
大脳皮質の比重もまた大きくなっていった。
→中枢神経系 →末梢神経系 →体性神経系 →自律神経系
◆靱負正雄
















心理学辞典 ページ 1128 での【神経系 】単語。