視力 【シリョク】🔗⭐🔉振
視力 【シリョク】
visual acuity
視覚系の形態知覚の基礎となる能力で,
刺激の空間的特性を解像し,その細部を
知覚する能力のこと。端的にいえば,どれほど細かいものを明確に見ることができるかに関わる
視覚能力のことである。この視力は,眼球の光学的性能,
網膜上の視細胞の密度,
受容野の大きさ,
大脳の拡大率(cortical magnification factor)など視覚情報処理の種々の段階における多重的な内的要因および視標の呈示条件(距離,照明,呈示時間など)の外的要因などによって規定される。検査視標には種々のものがあるが,
ランドルト環や文字視標(
スネレンの文字に倣った平仮名や片仮名)などがよく用いられる。その他には,線分刺激の太さによる検出閾いきを指標とする最小視力,2個の点あるいは平行な2線分を分離しうる最小距離を指標とする最小分離視力,同方向で位置のずれた2本の線分が一直線上にあるか否かの
弁別閾を指標とする副尺視力(vernier acuity)などがある。このうち,副尺視力視標の場合には,条件によっては,網膜の
錐体間距離よりも小さなずれまでも検出されることもあることが知られている。そこで,このような視力を超視力(hyperacuity)ということがある。また,空間正弦波パターンのコントラスト閾を指標として測定されるコントラスト感度も,視力の一側面を反映したものといえよう。
→視覚 →視覚系 →視覚障害 →形の知覚 →眼 →網膜 →受容野 →ランドルト環 →スネレンの文字 →錐体 →アウベルト = フェルスター現象《田崎京二ほか1979;大山正ほか1994》
→vid.文献
◆日比野治雄











心理学辞典 ページ 1116 での【視力 】単語。