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初老期うつ病     【ショロウキウツビョウ】🔗🔉

初老期うつ病     【ショロウキウツビョウ】 presenile depression  初老期に初発するうつ病である。退行期うつ病(involutional melancholia)ともいう。内因性うつ病との異同については議論のあるところであるが,典型的な内因性うつ病と比較して,以下に述べるような特徴を有している。すなわち,初老期に初発し,既往に躁うつの病期をもたない。病前性格としては,変化に対する融通性に乏しく,勤勉,几帳面,良心的などの特徴がある。これは,下田光造の執着気質や,テレンバッハ(Tellenbach, H.)のメランコリー親和型性格に近い。発病には,初老期における対象喪失体験が関与していることが多い。具体的には,職業的地位や身体的健康の喪失,家族や親友の死などが契機となる。症状面では,精神運動制止が少なく,不安焦躁が著明である。罪業妄想,貧困妄想などの妄想が出現することも多い。経過としては,典型的な内因性うつ病と比較して,長期的に遷延する傾向がある。 →執着気質 →メランコリー親和型 ◆高野佳也

心理学辞典 ページ 1111 でのショロウキウツビョウ単語。