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小脳     【ショウノウ】🔗🔉

小脳     【ショウノウ】 cerebellum  横走する多数小脳溝とこれによりできる小脳回(いくつかの小脳溝と小脳回の集合を小葉とよぶ)から構成されている。小脳は横走する裂により片葉小脳と小脳体に大きく分かれ,後者はさらに前葉,後葉に分けられる。これとは別に小脳の正中線にそって,内側から外側にかけて虫部(vermis),中間部(傍虫部 paravermis),半球部(hemisphere)とする縦の区分がある。深部には3対の小脳核(内側核,中位核,外側核)があり,これらはそれぞれ虫部,傍虫部,半球部から投射を受ける。小脳皮質は表面から分子層,プルキンエ(Purkinje)細胞層,顆粒細胞層が区別され,このなかには,星状細胞,バスケット細胞,プルキンエ細胞,顆粒細胞,ゴルジ細胞がある。小脳への主要な入力線維として,脊髄前庭系大脳皮質から入力を介在する苔状線維(mossy fiber)と,下オリーブ核から由来する登上線維(climbing fiber)がある。顆粒細胞は苔状線維から興奮入力を受け,その軸索は平行線維として上行し皮質を縦走してプルキンエ細胞の樹状突起,星状,ゴルジ,バスケット細胞に興奮結合する。プルキンエ細胞の軸索は小脳核,前庭神経核と抑制結合をする。星状,バスケット細胞はプルキンエ細胞を,ゴルジ細胞は苔状線維から入力を受け顆粒細胞を抑制する抑制性介在ニューロンである。登上線維は直接プルキンエ細胞と強い興奮結合をする。小脳虫部は体幹,眼球の運動制御,傍虫部は近位部,片葉は四肢,特に手・指の運動制御に関係する。特に前庭小脳(片葉小節葉)は姿勢の制御に重要な役割を果たす。 →脳 →大脳 ◆佐々木成人

心理学辞典 ページ 1078 での小脳     単語。