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受容器     【ジュヨウキ】🔗🔉

受容器     【ジュヨウキ】 receptor cell  各感覚系には,光,音波,機械的振動,化学物質,熱など各種物理的エネルギー形態の刺激を受容し,神経系に共通な電気信号に変換する細胞があり,これを受容器という。視覚受容器は網膜の視細胞(錐体桿体),聴覚受容器は内耳の有毛細胞,触覚・圧覚受容器は皮膚表面および深部のマイスナー小体,メルケル触盤,パチニ小体,ルフィニ小体,嗅覚受容器は嗅粘膜の嗅細胞,温度感覚受容器は温受容器,冷受容器である。  感覚受容器は特定の種類の物理的エネルギーを刺激として受容する(受容器特異性 receptor specificity)と,受容器電位(receptor potential)という刺激強度に依存して振幅が増大する膜電位変化を生じ (刺激受容 stimulus transduction),それが受容器細胞あるいは以後のニューロンにおいて閾値いきちをこえると活動電位を生じる(信号化 neural encoding)。受容器電位は活動電位を発生させるという意味で起動電位(generator potential)ともよばれる。受容器電位は通常は脱分極性であるが,視細胞のそれは過分極性である。視覚聴覚平衡感覚では刺激受容と信号化を異なる細胞で行うが,体性感覚(触覚・圧覚痛覚),嗅覚では受容器の軸索が活動電位を発生するので,受容器が刺激受容と信号化の両方の機能を果たす。  各受容器は限られた空間に与えられた刺激を受容し,この受容面のことを受容野という。感覚受容器は刺激特徴の四つの基本属性,すなわち,(1)モダリティ,(2)強度,(3)持続時間,(4)場所,を抽出し,これらが組み合わされて感覚を生じる。受容器からの信号はそれぞれの感覚情報が並列経路でに送られ,感覚中継核ニューロンを経て大脳皮質感覚野に伝えられる。これらの感覚中枢ニューロンも受容野をもつが,通常は多数の受容器からの入力を受けるためにその大きさは受容器のそれよりも大きい。 →外部受容器 →感覚器 →自己受容器 →受容野 →内部受容器 →光受容器 ◆佐藤宏道・吉村由美子

心理学辞典 ページ 1030 での受容器     単語。