広辞苑の検索結果 (2)
たん‐せき【胆石】🔗⭐🔉振
たん‐せき【胆石】
胆汁の成分から形成される胆管または胆嚢内の結石。
⇒たんせき‐しょう【胆石症】
たんせき‐しょう【胆石症】‥シヤウ🔗⭐🔉振
たんせき‐しょう【胆石症】‥シヤウ
胆石のできる疾患。上腹部・右肋骨弓下に疝痛せんつうを来し、また、発熱・黄疸おうだんを伴う。
⇒たん‐せき【胆石】
大辞林の検索結果 (3)
たん-せき【胆石】🔗⭐🔉振
たん-せき [1][0] 【胆石】
胆嚢および胆道内で形成される結石。胆汁の成分が何らかの原因で結晶または沈殿したもの。胆石症を起こすことが多い。
たんせき-しょう【胆石症】🔗⭐🔉振
たんせき-しょう ―シヤウ [0] 【胆石症】
胆嚢および胆道系に結石が存在する状態。腹痛・発熱・嘔吐・黄疸(オウダン)などの症状を呈することがあるが,無症状に経過する場合が少なくない。
たんせき【胆石】(和英)🔗⭐🔉振
日本大百科の検索結果 (1)
胆石症🔗⭐🔉振
胆石症
(たんせきしょう)
gallstone disease
胆石による仙痛{せんつう}発作を特徴とする疾患で、胆石はその所在部位から胆嚢{たんのう}結石、胆管結石、肝内結石などに分けられる。化学成分からはコレステロール系石とビリルビン系石の二群に大別され、前者は胆嚢結石に、後者は胆管結石に多い。また、脂肪を多くとる欧米人ではコレステロール系石が多く、日本人ではビリルビン系石および両者の混合結石が多いとされてきたが、近年では、日本でもコレステロール系石が増加し、大都市では欧米なみになっている。胆石には微細な砂状から鶏卵大まで種々の大きさがあり、数も1個から胆嚢内にぎっしり詰まっているものまであり、数千個に及ぶこともある。胆石の成因としては食事内容や生活習慣などの社会的要因、内分泌や脂質代謝などの全身的要因のもとに胆汁うっ滞、感染、胆汁の性状変化などの局所的諸条件が加わって胆石が形成されると考えられている。本症は男性より女性に多く、年齢的には中年に多い。
【症状】
胆石症の自覚症状は多様で、典型的な胆石仙痛発作から生涯無症状に経過する無症状胆石silent stoneまである。本症の三主徴は、疼痛{とうつう}、発熱、黄疸{おうだん}で、疼痛は一般に突然おこる激しい腹痛で、右上腹部でもっとも強く、痛みが右肩甲・背部に放散するのが特徴である。急性膵炎{すいえん}の持続的な腹痛と異なり、間欠的に襲来する仙痛発作である場合が多く、さらに腹痛は夕食後1〜2時間、あるいは夜半におこることが多い。暴飲暴食、ことに脂肪摂取、肉体的・精神的過労などが本症の誘因となる。腹痛に続いて発熱をみる場合が多く、37度台のこともあり、悪寒戦慄{せんりつ}を伴って高熱を出すこともある。腹痛発作の翌日ないし翌々日に黄疸が出ることがあるが軽度であることが多く、疼痛に並行して間欠的で、消長のある黄疸が特徴である。腹部を診察すると、右上腹部に圧痛があり、ときに腫大{しゆだい}した胆嚢を触れることがある。
【診断】
定型的な仙痛発作と発熱および黄疸などの症状がそろえば困難ではないが、腹部超音波検査、経口ないしは経静脈的(排泄{はいせつ}性)胆道造影を行い診断する。また、腹部単純レントゲン撮影にても約10%に陽性結石像を認める。
【治療】
仙痛発作時には安静臥床{がしよう}を主とし、絶食にし、必要に応じて補液を行う。疼痛に対しては鎮痙{ちんけい}剤を投与するが、多くの場合、このほか中枢性鎮痛剤が必要である。炎症に対しては抗生物質の投与が原則である。肝障害、黄疸に対しては急性肝炎に準じた治療を行う。間欠期には脂肪摂取を制限し、仙痛発作の誘因となる諸因子の排除が必要である。薬剤としては利胆剤、胆石溶解剤が用いられる。重症胆道感染、膿瘍{のうよう}、穿孔{せんこう}、瘻孔{ろうこう}などの合併があるとき、合併症がなくても仙痛発作の頻発、社会的活動の制約のある場合は手術適応となる。手術としては胆嚢結石には胆嚢摘出術、胆管結石には胆嚢摘出術+胆管切開截石{せつせき}術+Tチューブドレナージなどが行われる。
なお、経口的胆石溶解療法は、排泄性胆道造影で胆嚢造影良好で石灰化像のないコレステロールの小結石に適応があり、ケノデオキシコール酸が溶解剤として用いられる。 <中山和道>
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