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けいよう‐し【形容詞】🔗⭐🔉振
けいよう‐し【形容詞】
(adjective)品詞の一つ。事物の性質・状態・心情等を表す語。名詞を修飾する機能(限定用法)と述語の中心となる機能(叙述用法)とがある。文語では、「長し」などのク活用、「哀し」などのシク活用がある。口語では活用の種類は一つ。→かり活用。
⇒けい‐よう【形容】
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けいよう-し【形容詞】🔗⭐🔉振
けいよう-し [3] 【形容詞】
(1)品詞の一。用言に属し,活用があり,終止形語尾が,口語では「い」,文語では「し」であるもの。事物の性質・状態または心情・感情などを表す。「早い」「楽しい」「あまねし」「うるわし」の類。活用は,口語では一種類であるが,文語にはク活用・シク活用の二種類がある。
(2)そのものの性質・状態・属性などを表す言葉。形容辞。
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形容詞🔗⭐🔉振
形容詞
(けいようし)
品詞の一つ。日本語の形容詞はその活用語尾によって明確に認定できる。活用の体系は動詞と同じであるが、口語では命令形を欠く。
文語の「正し」は終止形では表面上語尾を欠いている。これは本来ならば「正しし」となるところであるが、「し」が重なるので重音脱落haplologyの現象をおこして、「正し」となったものと考えられる。一般の学校文法などでは、語幹を「ただ」とし、「し」を語尾に回して「しく」「しから」「しく」「しかり」「し」「しき」「しかる」「しけれ」「しかれ」とし、結果として、「寒く」などの「ク活用」と、「正しく」などの「シク活用」の2種類の活用を認めることになっている。これはいつに終止形でゼロ語尾になることを避けたためであるが、体系的に考えるならゼロ語尾を認めるほうがよい。英語のsheepなどの複数形にゼロ語尾を認めるのと同じ考え方である。口語、文語を通じて、語幹末に「し」をもつ形容詞には「うれしい」「たのしい」「かなしい」「こいしい」「なつかしい」「さびしい」「うらめしい」「うらやましい」「おそろしい」「うとましい」などの情緒を表す語が比較的に多い。「うつくしい」は、現在は客観的状態を表すが、奈良時代には親が子を慈しむ感情を表していたものである。
日本語の形容詞は、他の言語に比べて数が少なく、それを補う形で連体詞(「この」「いわゆる」「とんだ」「単なる」など)、動詞の連体形、形容動詞が用いられる。形容動詞の語幹はおもに漢語、外来語であり、いまでも生産的で、新しい語が自由につくられる。数は多くないが、形容詞派生語尾による語もある。「っぽい」「がましい」「じみた」「めいた」「っこい」「たらしい」「らしい」「的(な)」などである。
日本語の形容詞は、名詞を修飾するのみならず、そのままの形で述語となりうるが、西欧諸言語では、述語として用いるためには繋辞{けいじ}(英語ではbe動詞)が必要である。また日本語の形容詞は連用形の「く形」が副詞としても用いられる。日本語の形容詞はその活用によって、品詞認定が明瞭{めいりょう}に行われるが、英語などでは意味、語形、位置のどれ一つをとっても、明瞭な認定基準となりえず、総合的な判断によらなければならず、それでも境界線上の例が出てくる。
英語を例にとってみると、形容詞は位置がいろいろと問題になる。多くは連体的にも述語的にも用いられるが、一部の形容詞は連体的にだけ用いられ(mere, utter, former, latterなど)、一部は述語的にだけ用いられる(asleep, awareなど)。一部は両用法の間で意味が異なる。たとえばpresentは、連体的には「現在の」、述語的には「出席している」である。また、二つ以上の形容詞が一つの名詞の前に用いられるとき、その配列順序にある種の制約があることがある。→形容動詞 <国広哲弥>
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