広辞苑の検索結果 (1)
だい‐おう【大黄】‥ワウ🔗⭐🔉振
だい‐おう【大黄】‥ワウ
①タデ科の多年草。中国、華北の原産。高さ約2メートル。葉は大きく、基部は心臓形。初夏、黄緑色の小花を多数つける。黄色い根茎の外皮を除き乾燥したものが生薬の「大黄」で、健胃剤・下剤とする。類縁種に唐大黄・朝鮮大黄がある。本草和名「大黄、和名於保之」
だいおう
ダイオウ
撮影:関戸 勇
②ダイオウの根を干してくだき、煎じ汁を染液とした染料。黄色系。


大辞林の検索結果 (2)
だい-おう【大黄】🔗⭐🔉振
だい-おう ―ワウ [3][0] 【大黄】
タデ科の大形多年草。中国北西部原産。高さ2,3メートル。葉は大きく長柄があって掌状に浅裂する。初夏,淡黄色の小花を多数つける。根茎は黄色で肥厚し,緩下剤・抗菌剤として用いる。
だいおう【大黄】(和英)🔗⭐🔉振
だいおう【大黄】
《植》rhubarb.→英和
日本大百科の検索結果 (1)
ダイオウ🔗⭐🔉振
ダイオウ
(だいおう)
【漢】大黄
【学】Rheum
rhubarb
タデ科の多年草の1属。中央アジア山地、中国、シベリアに分布し、約40種からなる。このうち、薬用として重要なのは中国西部の標高3000メートル付近の高地に野生または栽培される次の3種である。〔1〕パルマーツム種Rheum palmatum L.(陝西{せんせい}省、甘粛{かんしゆく}省南東部、青海省、四川{しせん}省西部、雲南省北西部、チベット東部に分布)。〔2〕タングチクム種R. tanguticum Maxim.(甘粛省、青海省、チベット北東部に分布)。〔3〕オフィキナーレ種R. officinale Baillon(湖北省西部、河南省南部、陝西省南部、四川省、貴州省、雲南省北西部に分布)。
前3種はいずれも花茎は高さ2.5メートルに達し、その基部に長い肉質の葉柄をもつ大形の葉を多数つける。葉身は長さ25〜30センチ、幅60〜70センチ(前二者は掌状に深く3〜7裂し、後者は浅裂する)、基部は心形である。茎葉は小さく互生し、葉柄の基部は膜質の葉鞘{ようしよう}となる。6〜7月、茎の上部に総状あるいは円錐{えんすい}花序となる小花を多数つける。小花は数個集生し、花柄は長い。花被{かひ}は内外二列におのおの3個あり、雄しべは9個、雌しべは1個で花柱は3個。痩果{そうか}は、花後に増大した3個の内花被に包まれて三稜{りよう}となるが、各片は全縁で先端はへこむ。地下部は垂直の太い根茎にゴボウ状の根が多数ついている。
【薬用】
薬用として使われるのは根茎で、栽培種の場合、4年目には生{なま}の重さが3〜5キロほどになる。通常は6〜7年経過した根茎の皮と根を除去し、そのままか、あるいは横に輪切りにして乾燥する。もっとも良質のものを錦紋{きんもん}大黄といい、中国では紀元前から消炎性下剤として重用し、現在も多数の処方に配合されている。また、同品はヨーロッパ各国の薬局方にも収載されている。瀉下{しやげ}成分はアントラキノン誘導体およびその二量体のセンノサイドである。ほかにタンニンも含有し、少量では健胃作用を現し、多量では緩下剤となり、常習便秘や消化不良などに用いる。日本では、1950年(昭和25)から錦紋大黄を得るために長野県、北海道などでダイオウが栽培されるようになっている。なお、古くから奈良県、岩手県で栽培されてきたダイオウは和{わ}大黄と称され、品質がよくないため、主として売薬に用いられてきた。
黄色染料、線香の材料とされるのはカラダイオウR. undulatum L.で、シベリア東部、モンゴル、中国黒竜江省、華北が原産地である。ショクヨウダイオウR. rhaponticum L.はマルバダイオウ、ルーバーブとも称し、シベリア南部からボルガ川下流域にかけて分布する。葉柄は長さ30センチ、径5センチほどになり、食用とされるほか、ゼリーやパイの原料ともなる。ショクヨウダイオウには特有の香気と酸味があり、ビタミンA、B、Cを含有する。なお、カラダイオウとショクヨウダイオウの根生葉は、円形で分裂せず、辺縁は波状を呈する。 <長沢元夫>
広辞苑+大辞林+日本大百科に「大黄」で始まるの検索結果。