うつぼ【靫・空穂】🔗⭐🔉振
うつぼ【靫・空穂】
(「靱」と書くのは誤用)矢を盛って腰に背負う用具。中空の籠かごで、時に毛皮をつけて(後世は張子で漆塗のものもある)矢が雨に濡れるのを防ぐ。うつお。羽壺。寀(ウツホの合字)。曾我物語1「―をもとかず」
靫
⇒うつぼ‐かずら【靫蔓】
⇒うつぼ‐がわら【靫瓦】
⇒うつぼ‐ぐさ【靫草】
⇒うつぼ‐の‐み【空穂の実】

うつぼ‐かずら【靫蔓】‥カヅラ🔗⭐🔉振
うつぼ‐かずら【靫蔓】‥カヅラ
ウツボカズラ科の多年生の蔓性食虫植物。約70種が熱帯アジアに自生。また、観賞用に温室で栽培。葉の先端に瓶形の袋を下垂、中に消化液を貯え、液中に落ちた昆虫などの小動物を養分とする。ネペンテス。猪籠草。
うつぼかずら
ウツボカズラ
撮影:関戸 勇
⇒うつぼ【靫・空穂】


うつぼ‐がわら【靫瓦】‥ガハラ🔗⭐🔉振
うつぼ‐がわら【靫瓦】‥ガハラ
屋根の谷または大きな本瓦葺に用いる瓦で、一部凵かん字形のもの。
⇒うつぼ【靫・空穂】
うつぼ‐ぐさ【靫草】🔗⭐🔉振
うつぼ‐ぐさ【靫草】
シソ科の多年草。茎は四角く毛がある。路傍や線路沿いなどにごく普通。高さ20〜30センチメートル。6〜7月頃、頂に太い穂を付け、紫色の唇形花を密に開く。花には大きな円い苞があり、靫の形に似る。穂は花後暗褐色となり、これを漢方生薬の夏枯草かごそうとし、利尿・消炎剤。
ウツボグサ
撮影:関戸 勇
⇒うつぼ【靫・空穂】

ゆぎ【靫】🔗⭐🔉振
ゆぎ【靫】
(平安時代までユキと清音)矢を入れて携帯する容器。木または革で作り、長方形の箱形の筒とし、令制では1個に矢50筋を入れた。平安時代以後、壺胡簶つぼやなぐいといい、公家の儀仗となる。箙えびら。〈倭名類聚鈔13〉。万葉集3「梓弓―取り負ひて」
靫

ゆぎえ【靫負】ユギヘ🔗⭐🔉振
ゆぎえ【靫負】ユギヘ
ユゲイの訛。
⇒ゆぎえ‐の‐じょう【靫負尉】
ゆぎえ‐の‐じょう【靫負尉】ユギヘ‥🔗⭐🔉振
ゆぎえ‐の‐じょう【靫負尉】ユギヘ‥
(ユゲイノジョウの訛)衛門府の尉。平家物語1「二人一度に―になりぬ」
⇒ゆぎえ【靫負】
ゆぎ‐おい【靫負】‥オヒ🔗⭐🔉振
ゆぎ‐おい【靫負】‥オヒ
(古くはユキオヒ)
⇒ゆげい。継体紀「白髪部―」
ゆぎ‐べ【靫部】🔗⭐🔉振
ゆぎ‐べ【靫部】
(古くはユキベ)(→)靫負部ゆげいべに同じ。
ゆげい【靫負】ユゲヒ🔗⭐🔉振
ゆげい【靫負】ユゲヒ
(ユキオヒの転。古くは清音)
①古代、靫ゆぎを負って宮廷を守った者。
②特に、衛門府えもんふおよびその官人の称。→衛門府。
⇒ゆげい‐の‐かみ【靫負督】
⇒ゆげい‐の‐ちょう【靫負庁】
⇒ゆげい‐の‐つかさ【靫負司】
⇒ゆげい‐の‐みょうぶ【靫負の命婦】
⇒ゆげい‐べ【靫負部】
ゆげい‐の‐かみ【靫負督】ユゲヒ‥🔗⭐🔉振
ゆげい‐の‐かみ【靫負督】ユゲヒ‥
衛門府の長官、衛門督えもんのかみの別称。
⇒ゆげい【靫負】
ゆげい‐の‐ちょう【靫負庁】ユゲヒ‥チヤウ🔗⭐🔉振
ゆげい‐の‐ちょう【靫負庁】ユゲヒ‥チヤウ
検非違使庁けびいしちょうの別称。
⇒ゆげい【靫負】
ゆげい‐の‐つかさ【靫負司】ユゲヒ‥🔗⭐🔉振
ゆげい‐の‐つかさ【靫負司】ユゲヒ‥
衛門府の別称。
⇒ゆげい【靫負】
ゆげい‐の‐みょうぶ【靫負の命婦】ユゲヒ‥ミヤウ‥🔗⭐🔉振
ゆげい‐の‐みょうぶ【靫負の命婦】ユゲヒ‥ミヤウ‥
命婦(後宮女官)の名の一つ。父・兄や夫が靫負であるものの称。源氏物語桐壺「―といふをつかはす」
⇒ゆげい【靫負】
ゆげい‐べ【靫負部】ユゲヒ‥🔗⭐🔉振
ゆげい‐べ【靫負部】ユゲヒ‥
大和政権で靫ゆぎを負って天皇や皇族を守護した品部しなべ。靫部。
⇒ゆげい【靫負】
[漢]靫🔗⭐🔉振
靫 字形
〔革部3画/12画/8054・7056〕
〔音〕サイ(漢)
〔訓〕うつぼ・ゆぎ
[意味]
矢を入れて持ち歩く具。うつぼ。ゆぎ。

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